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私は貴方に恋をした

第1章 私は貴方に恋をした


19

翌日、デートだと街に繰り出した朱里の目が輝いて

「うわあ、未来ってこんな風に変わっていくんですね」
「うん?朱里は過去から選ばれた審神者だったのか」
「はい!」

くすくすと楽しそうに笑う朱里が可愛くて、脳内で悶えてると
持ってきたバッグを持って財布を開く

「200年前のお金使えるかなぁ」

うーんと唸る彼女にふふと笑う。
彼氏、恋人に買って貰う、という概念は彼女には全く無いらしい
紙幣も過去のと変わらず使えるよと言うと
彼女の表情に花が咲く。

「何か欲しいものある?」
「えっと、服が欲しいです!」

普段着用だろうか、高級ブティックではなく
割と普通のお値段の店を回り服を物色していく

籠一杯に好きな洋服を買い込み、レジに向かおうとする朱里を捕まえて
俺が籠を持ち払うよと言えば予想通り驚いた顔で首を横に振る

「そんな、楓さん!私ちゃんとお金持ってるよ?駄目だよ」
「いいの、こう言うとき、彼氏の面子も立たせてくれな?」

ちゅっと軽く額に口付け、困ったように見る顔が可愛くて
支払いを済ませて戻ると未だ困った顔戻らなくて
ぎゅうっと身体を密着させる様に抱き締め唇に軽く口付けると顔を真っ赤にさせてあわあわと動揺する

「朱里可愛い」
「も、もうっ!服…ありがとう」
「どういたしまして」

その後何件か見て回り、ふと朱里はピタリと止まって

「済みません、お手洗い行ってきますね」
「うん、ここで待ってるよ」

ちょうど休めるベンチのある所で言われ、その気遣いが嬉しくて。
少し駆けて行く朱里の背中を目で追って
こんな穏やかな日々を過ごせるなんて前まで無かったなと
清々しい気持ちで脳内に朱里の笑顔を思い出した


朱里はお手洗いからの戻り道にて見付けた目的の物を数点買い。
本丸に帰ってからいつの間に、と楓を驚かせたそれは。

楓に似合うかなと買った普段着数点
どれも派手過ぎず、程良いデザインのYシャツやTシャツで

いつものお礼だとにこにこと笑う朱里を強く抱き締めた。
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