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私は貴方に恋をした

第1章 私は貴方に恋をした


18

半日以上かけて朱里のドレスを決めた楓は、その出来栄えに満足気だ。
朱里は自分の姿が恥ずかしいのか頬を淡く染めて恥らうように俯きもじもじとしている。

「朱里、顔上げて?」
「む、無理っ」

楓が傍に立つとますます俯いて、フルフルと首を横に振る。
楓は僅かばかりむぅっとしながら朱里の姿を上から下までじっくりと見る。
あちらこちらに散らばったドレスの中から、楓が朱里に選んだのは正面から見るとチャイナの様だが背面は背中が大胆に開いたデザインだ。
ホルターネックのそれは、首の付け根からへそ近くまでにスリットが入っていて朱里の豊かな胸と綺麗な肌がチラチラと見えている。
タイトなそれは朱里のスタイルの良さも綺麗に強調しながら、足首までを隠し、スリットは腿の7割ほどまで入っている。
下着ももちろん、それに合わせたものでドレスの深紅からチラチラと覗くのは漆黒のガーターベルトと専用のレースのストッキングである。
綺麗に編みこまれたレースは一級品で肌触りも良く肌に傷をつけないシルク製だったりする。
背中も傷一つない真っ白な肌が腰近くまで見えており、普段後ろに降ろすか束ねるかしている長い髪はサイドに纏め、緩くカーブを描くようにセットされて前に流されている。
髪飾りも深紅で、楓と蝶をあしらったデザインの物が朱里の漆黒の豊かな髪を飾りたてていた。
化粧も薄目ではあるが目鼻立ちをはっきりとさせつつ、柔らかい雰囲気をも表現しており、常よりも色っぽい表情に見える。

「恥ずかしがってるのも可愛いけど、俺の自信作なんだけどな?」
「だ、だってっ! こ、こんなドレスッ!」
「仕方ないな、本当はこのまんま連れていきたいんだけど」

楓のおねだりでも、さすがに無理だと必死に首を横に振る朱里に苦笑して、楓は最初から用意してあった大判のレースのストールを取り出すとふわりと朱里の肩に掛けた。
黒いシースルーのそれは背中を覆い、絶妙な加減で朱里の肌を透かし見せ素肌が見えているよりも色っぽさを強調する。
前で束ねて深紅の華のストール留めを添えれば胸より下の腹部は僅かではあるが隠れた。
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