第1章 私は貴方に恋をした
02
「ど、どうしよう。帰ったら膝丸に怒られる」
夜も遅い時刻、本丸の皆総出で探してるんだろうなと顔色を青くさせて藪の中を歩いていく
薄いハイネックにジーパン、靴はブーツと言う出で立ちで
帯刀してる朱里は多少腕は立つものの
お化け等の話には弱く、今にも現れるんじゃないかとビクビクしていた。
「青江のせいだぁ~朝ごろだったからって怪談ほんと止めて欲しい」
ふと背筋を伸ばし顔を上げると他所の本丸?のような灯りが点いていて
ここは恥を忍んで端末借りてうちのこんのすけを呼んで貰おうか。
ああでも膝丸の説教も恐いけど数珠丸の無言の微笑みも恐い。
心を落ち着かせて、先程から私を警戒してるであろう先の2人の気配の前に出ると
綺麗な着物を着たお姉さんと明石国行?
此方を不振がってる様子だったので思わず声が裏返る
「すみません!こんな夜更けに…あの、うちのこんのすけを呼ぶのに端末をお借りしていいですか!?お姉さん」
「あら、貴女迷子なのね」
「ごめんなさい…散歩ついでに藪の中に入ったら方向分からなくなっちゃって」
「「(また思い切った迷子だな)」」
ここらの藪は背が高く、小柄な彼女には迷路を抜ける様なものであったろうに
「連絡しないと膝丸と数珠丸にこっぴどく叱られる…!」
「切羽詰まってるわね貴女…いいわ、本丸のID言って頂戴、そこのこんのすけを喚ぶから」
「ほれ、姉ちゃんここに座りぃ。ぎょーさん歩いてたんですなぁ手が冷えてますやん」
「IDは***********、細川朱里です」
パソコンの前に座って検索してくれてる様子を見て安心したのかその場でへたりこみ
「ああ、ほら。嬢ちゃんこっちに来い」
明石は朱里の両脇を支えて縁側に座らせてから気づいた。
この子やたらスタイルが良い。
なんと言うか、ぼんきゅっぼん?
IDと審神者名を登録して間も無く朱里のこんのすけだろうか
泣きながら朱里の胸に飛び付いて心配しました!
と泣き出した。
こんのすけは楓を目に入れると。審神者を保護してくれた事の感謝と
女の姿をしてる楓を女と思い込み
1泊だけ面倒見てもらえないか、こんのすけが頭を下げて
楓と明石は顔を合わせて、どうしようかと考え始めた