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私は貴方に恋をした

第1章 私は貴方に恋をした


「それがコレですか」
「そ、コレ」
「せやけど、もう手が出されへんならソレもやめはったらええんやないです?」
「あら……この姿、割と便利なのよ? 女の子も油断するし、男も下手に出るし、第一似合ってるでしょ?」
「……お似合いなんは否定しませんけど、男の形(なり)も知ってるとちょぉっと……」
「そぉ? まぁ、確かに男の姿の方が楽だけどな。いいじゃん」
「……それが嫌なんですわ」

審神者は明石の苦情に楽しげな表情で返していたが、不意に声をハスキーで高めアルトから男性のアルトへと変えて囁くように耳元で返してやる。
明石はその変わりように姿が女性のままであるのが余計堪えているのかがっくりと肩を落としてぼやく。
審神者はククッと笑いながら、そりゃ悪かったとまるで反省していない声音で返して再び酒を煽っていたが不意に現れた見知らぬ気配とカサリという葉の擦れる音に動きを止めた。
明石もピクリと肩を揺らすと座る時に横に置いた自分の刀身へと手を伸ばしながら音のした方を見やり、二人はその音源を探り静まり返った。
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