第1章 私は貴方に恋をした
背にしがみついていた手も、完全に意識がなくなったところでパタリと落ちている。
呉羽は力の抜けきった朱里の身体を抱き上げると各足ない足取りで離れの朱里の寝室へと運び、寝かしつけてからまだ起きていた膝丸に声を掛けて自分の本丸に戻っていった。
翌日、朱里からすごい勢いの謝罪のメールと通信が入って目を丸くするのはご愛嬌である。
そして、その直後に数日用事があった呉羽はようやく出来た時間に、今度は明石を伴って朱里の本丸を訪れた。
しかし、訪れた本丸は何故か殺気立っており、何事かと明石と顔を見合わせていた呉羽は丁度駆け付けた膝丸と数珠丸によってその理由を知ることになった。