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私は貴方に恋をした

第1章 私は貴方に恋をした


そんなにキスがすきなら、少しは気持ちよくさせてやろうと呉羽なりの優しさもある。
何より、繰り返す度に寄せられる身体の柔らかさも気持ち良く、もう少し堪能したいのは一般的な男心というものだろう。

「気持ちいいの?」
「ああ、朱里が俺にされるのが嫌じゃなければな」
「嫌じゃない! 呉羽さんにされるの嫌じゃないよ!」
「なら、ついでに酒も飲ませてやる」
「うん!」

無理にするつもりのない呉羽は、一応念を押してみたが朱里の方は何を勘違いしたのか焦ったようにぎゅうぎゅうと抱きついて必死に訴えてくる。
その様子に思わずクスリと笑みを零して、サービスだと言うように口移しを示唆しても笑顔で頷いてくる。 後で文句言うなよ? そう告げながら、呉羽は朱里の後頭部と腰に手を回し支えるように引き寄せるとまずは試しと朱里の唇に自分のそれを触れさせる。
ちゅっとリップ音を立てて直ぐに離すと朱里は目を閉じたまま大人しくしていた。呉羽はそれを確認すると、今度は上唇と下唇を交互に食むように何度も吸い付き、唇が緩んできた所で舌先でつんつんと突いて開けるように促した。

「んっ……」

促されるまま、恐る恐るといった体で口を開く朱里に、褒めるように唇を舐めてからスルリと舌を差し入れた。
閉じられた歯を開けてもらうため、呉羽は舌先で歯列をなぞり歯茎を擽って根気よく朱里の緊張を解いていく。
酒で緩んだ理性は、溶け始めれば一気に姿を消し朱里の方から舌を差し出されて呉羽は自分のを絡める。
くちゅっと水音が響くと朱里の肩が揺れたが、しがみつく手は離さないというように強くなるので呉羽は止めることなく絡めた舌を扱き、吸い上げて口内の性感帯を探り出していく。

「んっ、んんっ、ふぁっ……んむっ、んっ」

呉羽は時折息継ぎに唇を離しながら、そのタイミングで酒を口に含み朱里に飲ませて何度でも望まれるままに口付けを与える。
キス魔と言われるだけあって、途中でキスが好きなのかと呉羽が問えば蕩けた笑みで好きだと返されて苦笑してしまう。
お互いに呑みながら、気付けば朱里はキスの途中で寝落ちし身体をすっかりと呉羽に預けていた。
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