第1章 私は貴方に恋をした
「詳しくは本人に聞け。明石国行、貴様は近侍だろう着いてこい」
ぽかんと口を開けたままの2人にフッと笑って膝丸はゲートをくぐり
呉羽、明石、数珠丸と続いて朱里の本丸に向かってった。
朱里の本丸は、割と見通しがよく池に美しい鯉が泳ぎ朱里の神聖な霊力で満ちていた
呉羽を待っていたのは、あの時朱里と居た乱藤四郎。
ぺこりと頭を下げて走って行く。
様子を見てくる、と膝丸は早足で離れに向かう
俺達もゆっくりだが着いて行くと本丸内から漂う俺への殺気が凄いな。
だが数珠丸がそちらの方をちらりと意識を向けると途端に静かになり。
離れに到着し、寝込んでる朱里と目が合った瞬間
「呉羽さん会いたかったよおおおうう!!」
真っ赤に目を腫らして泣きながら言う朱里に離れに上がった所で抱き着かれ
「ごめんね、ごめんなさい」何度も何度も謝られて。
謝りながらすがる朱里の身体を強く抱き締めた。
「朱里?朱里ーー」
「ふぇ?」
「今度は俺がここにお邪魔するから」
俺の言葉に驚いたのか目を瞬かせ
「今度は俺がここに通うから」
だから、これ以上泣かないで、と溢れる涙を拭ってやった。