第1章 私は貴方に恋をした
洗い場では早起きをした短刀たちが汚れ物を洗濯している所だった。
呉羽は短刀たちに一緒に洗うのを頼み、草の汁などで汚れている所もあるから念入りにとだけ告げて朝餉を作りに厨へ向かう。
時間はまだまだ早朝を抜けきらない時刻である。朱里は起きて来るまで寝せるか、朝餉を食べる準備が出来上がる頃に起こせば良いだろうと判断する。
頭の中では朝餉を食べる前に終わらせるべきことと、朝餉を食べた後に朱里とやりたいことをリストアップされている。
執務は朱里が寝ている間にある程度を終わらせる算段で、厨に着いた呉羽は今日は珍しく風変わりで楽しい一日になりそうだとほくそ笑みながら朝餉の準備に取り掛かった。