第8章 〇【ベルトルト】僕だって
「はい、出来たよ」
「ありがとう」
ベルトルトがベッドに移動すると、サラも横に座ってきた。
ベルトルトの心臓がまた脈打つ。
サラは、さっきから何も思ってないんだろうか。
自分はこんな男だから、異性として意識されていないのか?
若干ベルトルトがしょんぼりすると、サラが顔を覗き込んでくる。
「どした?ベルトルト」
「いや・・・なんでもないよ」
目を逸らすと、ベルトルトの頬に手が当てられ、無理やりサラの方を向かされる。
「ベルトルト、何か隠してるの?」
サラが腕を上げていることで、シーツの下に隠れた肌が見える。
「あのっ、サラ、下、肌が見えてるから・・・」
「見えてるから、何?」
“見えてるから、何?”
そう言われて、意識されていないという気持ちが大きくなり、また少しだけ気分が下がる。