第8章 〇【ベルトルト】僕だって
だが、サラはタオル1枚を巻いたままで、服は身につけていなかった。
「わあ!!ごめん!!」
「あっ、ベルトルト!ごめん、急に!!」
同時に早口で話し、ベルトルトは背を向ける。
ベルトルトの心臓は今まで体験したことのない速さで脈打っている。
サラの白く細い手足に、一瞬にしてベルトルトは目を奪われた。
ーー触れたい
そんな気持ちになった。
「あ・・・サラ!そういえば、ほら!」
その気持ちを打ち消すように、
背を向けたままネックレスを上に掲げる。
「あったんだよ!服の中に!」
ベルトルトが言うと、サラが勢いよく走り出す足音が聞こえ、次の瞬間にはベルトルトの背中にサラが抱きついていた。