第8章 〇【ベルトルト】僕だって
部屋に入ると、寒さで震え始めたサラを先に風呂に行かせ、ベルトルトは窓から外を見る。
雷も鳴り、雨は土砂降りのまま変わらない。
「はあ・・・ネックレス・・・どこに行ったんだろう・・・」
ぐっしょりと濡れたカーディガンのボタンを外し、ボトムスに入れ込んだシャツを引っ張り出しながら呟く。
ーーカシャンッ・・・
「っあ!!あった・・・!!!!」
シャツの中から、ネックレスが。
「はっ、そういえば、落としたら大変だからって付けたら服の中に入れたんだ・・・!なんで気が付かなかったんだろう・・・」
一気に安心感が来て、涙がこぼれた。
サラに嫌われていないだろうか。
もし嫌われていないとしたら、嫌われずに済んだ!
ネックレスを握り締めて涙を拭うベルトルト。
後ろの方でドアが開く音が聞こえたので勢いよく振り返ると、サラが立っていた。