第8章 〇【ベルトルト】僕だって
時刻は夕刻頃。
昼過ぎからは雲行きも怪しくなってきたので、早めに切り上げるために帰路に着く予定が、ベルトルトがさっき作ったネックレスを落としてしまい、2人で探していた。
「どうしよう・・・本当にごめん!最低だよ・・・」
今にも泣きそうな顔のベルトルト。
またも心の中は自己嫌悪の嵐になっていた。
そして、その気持ちが反映されたかのように、空が先に泣き始めた。
「うわっ!凄い雨・・・!ベルトルト、先にどっか雨宿りしよ!」
「・・・僕探すよ・・・!サラは・・・」
“この先の店で雨宿りを”、と言いかけて、サラがベルトルトを引き止めてきた。
「いや!離れないで、お願い・・・!」
「・・・!、・・・分かった、とりあえずどこかに入ろう」