第8章 〇【ベルトルト】僕だって
それから30分後、デート中にネックレスを付けたくてすぐに取りに行った2人。
「あら!丁度出来上がった所よ!はい、どうぞ」
手渡されたネックレスのプレートには、お互いのプレートにお互いの名前、そして記念日が彫刻されていた。
「今日が記念日でしょう、それ、プレゼントするわ」
「え!それは悪いですよ・・・!」
「僕達そんなつもりじゃ・・・」
2人が遠慮をするが、おばさんは頑なにプレゼントをすると言っていたので、有難く貰うことにした。
そして店主のおばさんと別れ、デートを続行した。
「なんだかラッキーだったね」
「うん、でも良かったのかな」
「おばちゃんがいいってずっと言ってたし、良いんだよ」
ベルトルトの手を握って微笑み、ネックレスに触れながら話すサラを、ベルトルトは本当に愛おしい気持ちで見ていた。