第8章 〇【ベルトルト】僕だって
馬を馬繋場に繋いで、キョロキョロするサラに近寄る。
「今日はバザーやってるみたいだ」
「うん!何かいいのあるといいね!」
お互いの手をどちらとも無く握る。
ベルトルトの1歩の歩幅は、サラの2歩分。
ベルトルトはサラに合わせて歩く。
「サラ、これみて」
アクセサリーの出店の前で止まる。
「わ、可愛い!」
2人でキャッキャとはしゃいでいると、店主のおばさんがニコニコしながら2人を眺めている。
「・・・あ、騒いですいません。ちゃんと買います!」
サラが言うと店主は、
「いいえ、こちらこそごめんなさい。仲良しな“兄妹”だなーって可愛らしくてね」
「きょ・・・うだい、に、見えますか」
明らかにショックを見せるベルトルトを他所に、サラは堂々と「やだ!恋人です!身長差あるから分かんなくなりますよね!」と笑いながら訂正していた。