第8章 〇【ベルトルト】僕だって
ベルトルトは馬に乗り、サラを自分の前に乗せた。
「シュバルツ号、しゅっぱーつ!」
「はは、しゅっぱーつ!」
まずは街で買い物。
それから昼食を食べて、2人でのんびり話をしたり・・・
毎回そんな感じのデート。
しばらく馬を走らせていると、街が見えてきた。
「・・・いいね」
サラが手綱を持つベルトルトの手に自分の手を重ねる。
ベルトルトの心臓が勢いよく跳ねた。
「ん?何が?」
なるべく冷静に返事をする。
「ん・・・ベルトルトは大きいから、守られてる感じがして凄く安心する」
「サラは僕より小さいから、男の僕が君を守らないとね」
「ベルトルトは大きすぎるんだよ、何したらそんな成長するの?」
サラか見上げてくる。
「・・・可愛い」
「ん?何?」
つい心の声が出てしまったが、サラには聞こえていなかったようだ。
ひと安心して小さい頃やっていたことを話しながら馬を走らせていると、あっという間に街についた。