第8章 〇【ベルトルト】僕だって
「はい、出来たよ」
「ありがとうベルトルト!・・・ごめんね、ライナー、もう大丈夫だよ」
ライナーに声を掛けるサラ。
ライナーが「やっと終わったか」と言って向き直る。
「おぉ、その服、よく見たら似合ってるな」
「本当?ありがとう!」
いいなぁ、ライナーは。
僕もあんなに素直に言えたら・・・。
ライナーは頼りになるし、みんなからも慕われてる。
・・・サラはなんで僕なんかと。
ベルトルトはネガティブを心で爆発させながら、話す2人を見ていた。
「・・ル・・・ト?ベルトルト!聞いてる?行こうよ」
サラがベルトルトの服を摘み、引っ張りながら言う。
「あ、ごめん。行こうか」
「もー、大丈夫?じゃあね、ライナー!」
「あぁ、楽しんで来いよ」
ベルトルトとサラはライナーに別れを告げて兵舎を出発した。