第6章 〇【ライナー・ベルトルト】代償
サラは立体機動が取られていくのを黙ったまま見つめ、ライナーに促されて空き家に入った。
壁の真下は空き家が広がっており、次に壁が破られても被害を受けないようにと逃げた住民の様子が伺える。
「・・・ライナー、どうする」
「殺す。知られたからな」
サラはベルトルトに立体機動のワイヤーで縛られて身動きが取れないようにされながら、二人の会話を聞く。
「なんで・・・なんであんな・・・2人がしたの!?マリアを破ったのも・・・あの大型巨人は!?2人が呼び寄せたの!?何故!?」
「知る必要はねぇ。今からお前は死ぬんだ」
「死ぬんなら教えてよ!!!」
サラはライナーの方へ大きく1歩前に出てライナーに頭突きをする。
「っ・・・!!」
ライナーは痛みを堪えてサラの胸元を掴み、横に投げる。