第6章 〇【ライナー・ベルトルト】代償
「嘘・・・嘘・・・ライナーが?ベルトルトも・・・?」
トリガーに指を掛け、アンカーを刺そうとするが刺さりが甘く、サラはバランスを崩して地面から少し高い場所から落ちた。
ライナー達が追い掛けてくる。
サラは涙目になりながら地を這い、なんとか立ち上がってトリガーを引くが動かない。
今の衝撃で装置が故障したらしい。
「な・・・なんで!?なん・・・」
ズタッとサラの後ろでライナー達が降り立つ音が聞こえた。
「サラ」
ライナーが声を掛ける。
「何を聞いた?」
サラは背を向けたまま、首筋に刃が当たるのを感じた。
「何も聞いてないって言ったら・・・いつも通りに仕事して他愛ない話してくれんの?」
「・・・どうだろうな。おい、ベルトルト。サラの立体機動を取れ」
「分かった・・・」
ベルトルトが近付き、サラの立体機動を取り始める。
刃で対抗されるのを防ぐ為だろう。
相変わらず、サラの首筋には無機質な冷たさが伝わったままだ。