第1章 【ライナー】愛しき日よ
「・・・いや、なんでもねぇ。それより戻らねぇと兵長にサボりがバレちまうぞ」
話すライナーを座ったままのサラはゆっくりと見上げた。
「・・・ねぇ、ライナー」
「なんだよ」
「キス、したいの?」
急なサラの発言にライナーは唖然として、サラを見たまま動かなくなった。
「・・・は!?なんだよ急に!!」
「んや、したいのかな・・・って」
サラは立ち上がり、ライナーに向き合う。
「顔真っ赤だよ。ふっ、笑えるね。もしかしてした事ないの?」
ジリジリと迫ってくるサラに、少し後退りするが、地面になった壁の大きな出っ張りにつまずき、尻もちをついた。