第17章 【ゲルガー】お前の為なら
「(やばい、どうする)」
そう考えながら、ゲルガーは酒を我慢しつつ食事をしていた。昼頃考えていた酒の勢い告白は出来なくなった・・・というよりはやはりそこは紳士じゃない、クズだ。という考えに落ち着いた。だから、どうしたらいいか分からない。もちろん、酒は完全に抜いてきた、よくやった自分。
しかし・・・
「(このままじゃマジで飯食って即終了パターンじゃねえか・・・!)」
貧乏ゆすりをしてしまう程に追い詰められ始めたゲルガーの目の前に、サラが顔を覗かせてきた。
「ゲルガー?大丈夫?お酒飲みたいんじゃない?気にせず飲みなよ・・・」
「は!?バカ、要らねえよ!しっかり準備してきたんだ今日は!!」
「お・・・おぉ、何の?」
「しまっ・・・(しまった・・・つい口が・・・!)とにかく大丈夫だ、今日は休肝日と思って飲まねえことにしたんだ、ありがとよ、サラ」
グイッと飲み干したのは水だが、気が紛れた気がした。
「・・・サラ、ひとつ話がある」
ゲルガーの声色に、サラが背を伸ばして返事をした。
「・・・その前に便所」
ゲルガーは席を立ってトイレに向かい、会計を済ませてから席に戻った。だが、自分の居た席に知らない男二人組とサラが座っている。
横に座った男がサラの太ももを撫でているのに気が付き、頭に血が上るのが分かった。