第16章 【リヴァイ】向日葵畑の真ん中で
リヴァイは立ち上がり、サラの腕を引いて立ち上がらせ、話を変えた。
「所で、エルヴィンに何を言われた」
水やり前のサラとエルヴィンのやりとりを思い出す。
サラを見れば、顔が赤くなっていく。
聞くんじゃなかったと若干後悔するリヴァイだが、サラの返事を待った。
「い、言わなきゃ・・・ダメ?」
急に女の顔を出す。
「ああ」
無性にイラついて、腹の中に黒い感情が生まれるのを感じた。
「・・・気負いせずに、そのままの君でいけばいい・・・リヴァイも・・・その方が喜ぶよ、と・・・」
「は?」
「別にどうこうしたいとは思わないけど・・・私、リヴァイが好きなんだよ。それに団長は気付いて、その・・・アドバイスとチャンスを・・・って、もう本当にやだ・・・恥ずかしすぎ・・・忘れて!ごめんなさい!」
サラが立ち去ろうとすると、リヴァイがサラの腕を咄嗟に掴む。
「俺はてっきり・・・お前らが・・・」
リヴァイはサラを自分の方へ向かせると、真っ赤な顔で震えるサラが目に入った。
「・・・三十路の癖に急に可愛くなりやがって」
「は!?」
涙目で声を上げようとしたサラの頭を引き寄せて抱き締める。
「・・・リヴァイ・・・?ちょっと・・・汗付いちゃうから・・・」
「うるせえ、少し黙れ。浸らせろ」
リヴァイに抱き締められながら、黙って胸の中に収まる。