第16章 【リヴァイ】向日葵畑の真ん中で
「楽しそうだな、俺も混ぜて欲しいよ」
「団長!聞いて下さい!リヴァイが・・・」
「コイツが悪い。ババアの分際でナメた格好してやがる、俺は悪くない」
サラが必死に反論する中、エルヴィンがサラを近くに呼んだ。
おずおずと近寄ると、エルヴィンがサラを見ながら何やら言った。
するとサラがエルヴィンの腕を軽く叩いて、顔を更に赤くしてこちらに向き直った。
エルヴィンは優しい表情でサラを見ていた。
リヴァイの胸がザワザワと波を立てる。
「さ、リヴァイ、早く終わらせよう!日焼けは老けの原因にもなるから!!」
「お前待ちだ・・・」
エルヴィンが窓を閉めてまた仕事に戻ったのを見届け、サラと共に水やりを開始する。
サラと共に水をやり、水が無くなったらサラを影で休ませて、リヴァイが水汲みに行く。
それを繰り返す。
「・・・はーっ!終わったー!お疲れ様、リヴァイ!ありがとう!」
「ああ、もうグッタリだ」
背の高い向日葵の中にしゃがむと、頼りないが少しだけ日陰になる。
「はい、お水」
「ああ、悪い」
サラから水が入った袋を受け取り、喉を鳴らして飲む。
「ちょ、私の分もあるんですけど・・・リヴァイ・・・?ちょ、リヴァイさーん・・・」
タプンと音を鳴らした水袋を手に、「欲しいか」と聞く。
「欲しい」
「じゃあ女の色気を出しながら頼んでみろ」
「は!?」
サラは少し考えて、人差し指を唇に当てて「欲・し・い」とあざとく言った。
「・・・流石三十路だ、全くそそられねえ」
「は!?最悪!」
サラが怒り出す直前、リヴァイはサラの胸のベルトを乱暴に掴んで身体を引き寄せ、唇が触れるか触れない辺りで止まった。