第15章 〇【ミケ】身と心
「ミケさん・・・?私・・・団長と兵長に何か変な事話しちゃってましたか・・・?」
不安げに見上げるその瞳には、俺はきっと酷い顔で映っているだろう。
体格差がある俺達。サラの前に立てば小さな体が震えた。
「・・・」
む、無理だ・・・やはり駄目だ。
この瞳に見つめられると、嫉妬していてもなにも言えずに終わる。
「・・・いや、何でもない」
惨めだ。情けない。
そもそもいい歳してこんな若い娘に嫉妬心を抱くのが間違ってはいないか?
彼女を大事にする余り、半年間・・・キスさえしていない。
それが嫉妬の原因な気もする。
身も心も俺のものにしてしまいたい・・・が、サラが大事だ。・・・正直嫌われたくはない。
「・・・ミケさん」
考え込む俺の服を引っ張り、心配そうな顔をするサラ。
「ミケさん、あの・・・」
サラが意を決した表情を見せ、服を掴む手に力が入った。