第3章 〇【モブリット】実験台
「ハッ・・・ハァッ・・・ハンジさんといい・・・サラといい・・・全く・・・!!」
肩で息をしながら、ドアに縋って息を整える。
廊下では遠くで「モブリットさーん」とサラの声がする。
「今日は早くこの仕事を終えて飲みに行こうと思っていたのに・・・」
独り言を言いながらも廊下に意識を向けていると、サラがいる気配は全くなくなっていた。
ため息をついて、少しドアを開けて確認する。
「(いないな・・・)」
ふぅ、と安心したため息をまたはくと、足元に嫌な気配が。
「バレてますよ」
下をゆっくり見ると、しゃがみ込んだサラが水鉄砲を構えていた。
「え・・・」
ピュッと発射されたのは、ショッキングピンク色の液。
それは見事、モブリットの顔にかかった。
「うわ!?」
咄嗟に目をつぶる。
その瞬間、サラはモブリットを部屋に押し込み、自分も入って鍵を閉めた。