第10章 【オルオ】恋の始まり
「まあな、そんなこと、はあるけどよ・・・。お前の名前は?まだ聞いていなかったな」
「サラ・アナスタシアです」
笑顔で敬礼してみせた。
するとオルオは口元に手を当て、目を逸らしてからまたサラを見る。
「・・・あー、サラ、その・・・もし迷惑でなけばなんだが・・・今日、今から一緒に飯でも行かねぇか」
「え・・・」
急に食事に誘われ、驚くと、それを見てオルオがアワアワと理由を話し始める。
「しっ、下心とかじゃねぇんだ!怪我・・・そう、怪我させちまったし、その・・・急だし!?迷惑だったらいい!!」
その様子が少し面白可愛い為に笑いがこみ上げる。
「な、なんだよ・・・笑ってんじゃねぇ・・・」
「すみません・・・必死な感じが・・・なんか・・・」
「悪かったな・・・慣れてねぇんだよ」
ちょっとムスッとしながら言うオルオに向き直って頭を下げた。
「お食事、ご一緒させて頂きます」
「ほ、本当か!!やった・・・いや、この『やった』は迷惑掛けたのに、誘いを断られたら恥ずかしいから受けて貰えて嬉しいっつうか・・・」
「ふふ、断りませんよ。よろしくお願い致します、オルオさん」