第10章 【オルオ】恋の始まり
「・・・ってことがあったんだよ」
その日の夜。
仲間と話しながら食事を取るサラ。
「えーっ!ヤバくない!?リヴァイ班の人とそういう関係になれたら絶対将来安定じゃん!」
「ちょ・・・やめてよ・・・」
「お!!噂をすればリヴァイ班の方々が来たぞ!誰だよ、その優男先輩は」
仲間に期待の目で見られながらサラはコソコソ教えた。
「・・・え、あ、オルオさんか・・・」
その人物をみんな知っているようで、一気にガッカリした空気が流れる。
「何?みんな知ってるんだ?」
「知ってるも何も、リヴァイ兵長に憧れて真似してるカッコ付け男じゃんー」
「口調と、あとほら、クラバットも真似してるし。何より19歳であの老け顔だからな」
口々に散々な印象を言われるが、サラが会っていたオルオは全くリヴァイ感は無かった・・・老け顔はとりあえず置いといて。
ただ心配して沢山謝ってきてくれた優しい人。
リヴァイの影は微塵もなかった。
オルオ自体はよく知らない人だが、きっとあれはオルオ自身だった。