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此処にある音色

第15章 熱を出した…


『…だ…れ』

微かに漏れた声はネット上で聴く生き生きとした声ではなかった

赤い目は3人を捉えて値踏みする様に見ている

『…いくらで買う…?…お金ないなら…ないでいいよ…』

虚ろなまま服を脱ごうとする少女を慌てて止めたのは林檎だった

林檎「ちょっと待ってー!落ち着いて!?」

『?』

止められた事にキョトンとした少女は、あぁっと頷いてナイフを差し出した

『こっちの方がいい…?』

そう言うとナイフを自分の腕に突き刺した

龍也「おい!」

春歌「え!?」

ボタボタと落ちる血

『ほら…私は“大丈夫”だよ』

ニッコリと笑った顔は貼り付けた仮面のようで全員が固まった
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