第15章 熱を出した…
楽譜を閉じてフーッと息を吐き出すと今までのは小手調べと言いたげな顔を見せる
それは先程より惹きつける
パワーが、音が、全てを惹き込む
早乙女「おーぅ…」
早乙女もそれを聴くと微笑む
まるでこれがだと言うように
最後まで弾き終えると全身汗だくになっている
『…はぁ、はぁ』
それだけ本気なのだと見て取れる
いつもは眠そうで気怠げなのに、音楽に懸ける思いは純粋で聴いてる者を虜にさせる
『…おい』
春歌「あっ…はい!」
早乙女はいつの間にか居なくなっていた
『ここキープで、ここから撮る』
春歌「分かりました」
弾き続けると疲れが見えるが、の場合は弾き続ける度に進化していく
譜面だけじゃ見えないものまで見せようとしている
春歌はいつの間にかその世界に浸っていた