第15章 熱を出した…
ゆっくりと体を離したは、ハッとした様に目を覚ます
『ちょっ…ごめん!』
傍にいた春歌を軽く飛び越える
そのまま一心不乱に書き綴っていく
まるで取り憑かれたように
『煙たくって胸が痛くても
愛してる
あたしの中に
まだ君の色が残ってる
手を伸ばして頬に触って
抱きしめても
君の匂いで目が覚めるの』
儚い歌声が響く
まるでそこに想いを寄せる人が居るように
春歌「この曲…」
そうこれはまだ未発表の楽譜だ
『お前のおかげだありがとう』
そう言って微笑むは何と儚く美しいもの
初めて見る笑みに春歌は赤くなる