第13章 引っ越し
IN 事務所
『たのもー!』
そう言ってバンッと開く扉にヤのつく自由業の全員が驚き声を上げる
『兄に会いに来た』
「お前どうやってここまで…」
その声は震えていた
まるで化け物を見るかのように
『いやぁ〜…大変だったよ。兄さん?』
ニッコリと微笑むその顔と服には返り血が付いている
けれど光の加減で変わる目は怒りで染まっている
『背中にあった翼は…君と共に無くした』
歌いながら周りを蹴散らしていくその姿は羽があるかのようで蹴り飛ばしていく
『逃げるのは無しだろ?』
いつの間に近くに来たのか、の兄は目を見開いた