第10章 いつかの約束
が、壊れたと思ったケータイが振動する
『あ?…はい』
龍也《おっ繋がった!お前今何処にいるんだ?》
『あー…もうちょっとで着くと思う』
軽口を叩きながらその歩は止めない
話し声が聞こえない女性達は落胆の色を隠せない
「彼女もちかー」
「違ったら良かったのに〜」
『あぁ…分かってるって…それよりさ少し芝居に付き合ってくれよ?』
コソッとそう言った
龍也《は?芝居?》
『そっ、着くまでのあいだ』
龍也《なんでだよ?》
『周りが煩い』
ズバッと言い切った人物に龍也は理解したと言うようにOKを出した