第2章 第一試合VS.鈴駆
「………本当にお前が大将なのか?」
リングの中央で向かい合った状態で怪訝そうに問いかけてくる是流。その視線は私の後ろにいるウルキオラやグリムジョーに向けられている。
なるほど……実力的に二人より劣る私が何故大将なのか?という意味らしい。
これには苦笑を漏らすしかない。
「まぁ……腕っぷしの強さで決めた訳じゃないので」
「そうか……」
私の答えに納得したのか、是流は腕を組んで審判を一瞥した。続きを話せという意味らしく、審判が慌ててルールを説明していく。
「戦い方と勝敗は両チームの大将同士の話し合いによって決めていただきますが、折り合いがつかない場合はそれぞれ5名が1対1で戦い、勝ち星の多いチームの勝ちとします」
「質問いいですか?」
「はい!どうぞ!」
そろりと手を上げると勢いよくこちらを向く審判の女性。相手側があまりに無反応だからか、すごい噛みつきようだ。
「えっと……それぞれ5名が戦い合うってところなんですけど、私たちは3人チームなんですが、その場合はどうなりますか?」
「はい!黒崎チームは突然の大会参加でメンバーを集める間もなかったということで、特別に1人2試合の権利が与えられます」
「なるほど……それならこちらは何でも結構ですよ。そちらにお任せします」
そう言って是流に笑いかければ、彼は鼻を鳴らして「こちらも何でもいい」と言ってきた。
「ああ、できれば1対1がいいな。遊びは長く楽しみたいからな」
「では勝負は1対1の5戦方式でいいですか?」
審判の女性がこちらにマイクを向ける。
「ええ、大丈夫です」
マイクを避けて了承を返せば勝負方式が決まる。リングを降りて、ウルキオラとグリムジョーの二人に軽く説明をすれば特に異論は無いようだった。
「試合の参加順をチーム内で決めないといけないみたいで……どうする?」
このメンバーでジャンケンという訳にも行かず(そもそもジャンケンのやり方知ってるのかな?)
二人に意見を求めれば、意外にもすぐに答えが出た。
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