第6章 幕間
「うるさいのよ……」
「「「!!?」」」
聞こえてきた声に誰もが目を見開き少女を見た。
彼女から渦巻く重い重い霊圧に妖怪たちは息も絶え絶えに耐えるしかない。
「試合にも出てない負け犬がーーー。
遠くから吠えるだけでなく噛みつこうなんて……見苦しいわよ?」
少女から立ち上る霊圧は形を変えて牙を剥く。
虚を象ったそれを間近で見た鈴駆はドサッとその場に尻餅を突いて震えていた。
圧倒的な力の差ーー。
それを感じ取った弱小妖怪は言葉を発することも出来ず、リングを降りて静かに会場を後にする少女の背中を見送るしか出来なかった。
その後ろにウルキオラは目を伏せ、グリムジョーは舌を打って続く。
魔界でも札付きの妖怪たちを相手に無敗で勝ち上がった黒崎チーム。思わぬダークホースに、他の参加チームの選手達も会場の至るところで目を細めて3人の背中を見据えていた。