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【BLEACH×幽遊白書】混じる世界

第5章 最終試合VS.酎




「クククク……いいねェ」
「!!」

ガラリと瓦礫から体を起こした酎は口の中の血を地面に吐き捨てて立ち上がる。

(……瞬閧を受けてあの程度のダメージ……やはりこの男強い!)

10カウント直前にリングに戻った酎はの姿をまじまじと見て笑った。

「い~い女だ……危うく惚れちまいそうだぜ」
「……世辞はいいわ。やる気になったかしら?」
「おう!もうビンビンよ!」
「…………」

急に突っ込まれた下ネタに目を細めると、酎はまた笑って懐から小さな瓶を取り出した。

「どうやら手加減して勝てるお嬢ちゃんじゃなさそうだからな……こっからは本気で行かせてもらうぜ」

そう言って瓶の蓋を開けて一気に煽る。

「魔界の重濃酒『鬼殺し』。こいつは効くぜーーーーっう!」
「!?ーーー酎!まさかあれをやる気か!?」
「おおォおおーーーー!!!」
「!!」

膨れ上がる妖気にが警戒を強めた瞬間、急にリングの端へ走り出してかがみ込んだ彼は、その場で胃の中のものを吐き出した。

「うおえぇぇぇーーー!」
「………」

審判がずっこける傍らでは警戒を解かないまま踞る背中を見つめていると、ゆっくり立ち上がった酎の纏う妖気が変わったことに気づいた。

(!……酒気と妖気が混ざった……?)

「ういっく!……見苦しいとこ見せてわりぃな。これしねえと気合い入んなくてよォ」

臭い立つような酒気が妖気とブレンドされて湯気のように可視化される。雲のように彼の周りを漂う妖気は、その手で自在に形が変えられるようだ。


「のんべ【錬金妖術師】・酎!
最高の技をもって相手をしよう」


そう言って、酎は両手のひらに丸い妖気の塊を作り出した。高密度のエネルギー球で虚閃(セロ)とよく似ている。

「力比べだ!行くぜ!!」

妖気の塊を手の中で練り上げながら走り出した酎と平行して刹那も瞬歩で移動する。

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