第1章 第一回戦 六遊怪
そこには袴に手を入れて佇むウルキオラがいて、いつもの鉄面皮で髪飾りを見ている。なんだか内面まで見透かされそうで咄嗟に水晶を手で隠した。
「え!?な…なんで知って……!」
「敵の人員ぐらい把握している。それは朽木白哉の斬魄刀・千本桜の霊圧だ」
「っ……!?」
バレてる!いや、バレても良いんだけど!
この髪飾りは去年の誕生日に白哉さんから貰ったものだ。実はこれ……千本桜の解放時に出てくる桜を特殊な技術で水晶に閉じ込めたものらしい。まちろん千本桜は白哉さんの斬魄刀だから、この桜も白哉さんの霊圧で出来ている。
白哉さんを身近で感じられているみたいで嬉しい反面、少し恥ずかしいところもあって、あまり人には言っていない。
それを見事に言い当てられて一人で焦っていると、グリムジョーが眉を寄せて怪訝そうに言った。