第1章 第一回戦 六遊怪
「さあー皆さま!お待たせしましたァ!
今回のカードは飛び入り参加の新星【黒崎チーム】の初試合!2日前に突如会場のど真ん中に表れた彼らは一体何者なのかァ!?この試合で実力を証明してもらいましょう!!」
ドッ!と地面を震わせるような大歓声が巻き起こる中、私はポケットから取り出した髪飾りを手の上で転がしてから握る。その様子を横から見ていたグリムジョーが怪訝そうに手の中の物を見て、こちらを見た。
「……んだそれ」
「もらいもの……負けられない戦いの時は着けることにしてるの。……まぁ験担ぎだね」
そう言ってサイドに結んだ髪に金糸でできたそれをくくりつける。そうすると結び目に一輪の桜が閉じ込められた水晶がゆれた。
それを横目に見ていたグリムジョーは、急に目を細めたかと思えば徐に腕を伸ばして水晶に触れる。
「……この霊圧……どっかで感じたことあんな」
「……え?」
「護挺の六番隊隊長ーー朽木白哉の霊圧だ」
突然のことに驚いて目を丸くしていれば、背後から聞こえた声に更に驚いて振り返った。