第4章 第三試合VS.是流
グリムジョーの後ろにいたは、業火を突き抜けて真っ二つに割った『王虚の閃光』に目を細めて、爆風に腕をクロスさせて足を踏ん張った。重なった腕の間から見える光景はこちらに迫る是流の炎だ。
「っ………!」
爆風に乗って熱が頬を掠めてチリチリとした痛みにぎゅっと目を閉じたとき、ふと急に熱風が止んだ。
「ぇ………ウルキ…オラ……?」
ハッと目を開けて顔を上げると、目の前にウルキオラの白い死覇装があって、その背中に目を見開いた。
腕の一振りで是流の妖火を消し飛ばしたらしく、死覇装の袖が焦げて黒くなっていた。
「………ありがとう」
するりとお礼の言葉が口をついて出た。
元の世界では殺し合いをした仲だというのに、何故か素直にお礼が言えた。
「………勘違いするな。元の世界に帰るまで死なれては困るからだ」
「うん……それでもーーーありがとう」
「……馬鹿な女だ」
目だけをこちらに寄越してすぐに前を見据えるウルキオラに笑みを浮かべる。そのとき、煙の中から感じた霊圧に、同時にリングを見上げた。
「はっ!ははははは!!
ーーーーケシズミになったのはてめえだったな!!」
死覇装は焼かれ、全身に火傷を負いながら高らかに笑うグリムジョーの姿がリングの上にあった。対戦相手の是流は炎を放った体勢のまま塵になって消えていく。
「ッ……ぜ…是流選手……戦闘不能!!
ーーー勝者、グリムジョー!!」