第3章 第二試合VS.呂屠
「おおっ!是流だ!!」
「是流が早くも出てきたぜ!!」
ざわつく観客たちの視線を追ってリングを見ると、六遊怪の大将・是流が中堅としてそこに立っていた。
「……奴は大将じゃなかったか?」
「あー多分ジャンケンで順番決めたんだろうね」
「じゃんけん……?」
立て膝に腕を置いて腰を落としたウルキオラが怪訝そうに言葉をこぼす。
その横でゆらりと立ち上がったグリムジョーが凶悪な笑みを浮かべて足を踏み出した。
「俺が行く」
そう言ってリングの階段に足をかけた時、こちらを振り返って唐突に腰の刀を投げて寄越した。
「わっ……なにこれ」
「この試合で使うつもりはねえ。持っとけ」
「いいけど……油断なんてしないでよ?」
「はっ!退屈じゃなけりゃな!」
一笑して背を向ける姿に、どこにいてもグリムジョーはグリムジョーだな……と、苦笑して斬魄刀を預かる。まさか、かつて敵だった相手の斬魄刀をこうやって持つことになるとは思わなかった。