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【BLEACH×幽遊白書】混じる世界

第3章 第二試合VS.呂屠



歓声とブーイング。両方が沸き起こる中、リングを降りるウルキオラ。

「お疲れウルキオラ」
「……ああ」

リングに設置された階段の前で微笑むを一瞥して進むと、すこし離れて座るグリムジョーから声が上がった。

「手を抜きすぎだ。あの程度なら最初の虚弾(バラ)で殺せただろうが。……様子見なんてらしくねえことしてんじゃねえよ」
「馬鹿が……ここは異世界だぞ。妖怪なんて未知のものもいる。警戒に越したことはない」
「だからそれが手を抜きすぎだってんだよ!最初から全力でやって死ねばよし。死ななけりゃそれ以上の力で潰せば済むことだろうがっ」
「どの程度で潰れるのか、どの程度動けるのか、相手の速さと強度を測るのも必要なことだ」

視線を合わせることなく、目を伏せたまま淡々としたウルキオラの物言いにグリムジョーは苛立ちを募らせる。

彼は最初から全力で戦いたい方だ。力加減をして相手の力量を測りながら戦うなんてストレスの溜まりそうな戦法は性格的に向かないのだろう。

つまり戦い方の違いであって、性格の不一致だ。

日頃からこんな言い合いをしているのだろう。慣れたような雰囲気には苦笑するしかない。
そんな風に笑って見られる光景も周りの弱小妖怪からすれば、グリムジョーの険悪な霊圧は重さとなって体に負担をかける。

審判の小兎も冷や汗を隠せず、恐る恐るに声をかけた。このチームの中で唯一普通に話ができそうなのが彼女だからだ。

「あ…あの~」
「はい?」
「そろそろ次峰戦を始めたいんですが、ウルキオラ選手は続投しますか?」

右側に流したオレンジの髪をさらりと揺らして振り返ったは、小兎の言葉にリングに視線を向ける。そこには相手チームの次峰がすでに立っていて、目が合うと嫌らしく目を細めて唇を舐めた。彼の黒髪から覗く耳は鋭く尖っていて、人間ではないことが伺える。
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