第6章 織田信長【オダーノブナガ】
信長の一物を難無く受け止めた『』が身悶えながら口付けを強請れば、当然それに応えた信長の腰も大きく動き出した。
口付けを交わす間にも、信長は幾度となく「愛している」と囁き『』を穿つ。
その度に『』がどんどんと濡れていっているのが響き渡る水音で分かった。
『』は信長に突かれる度に甘い吐息を漏らしているが、それでも声は出せない様だ。
そんな不憫な姿にはどうやったって辛辣な想いが沸き上がって仕舞う。
それでも信長が『』の表情や呼吸を敏感に感じ取り、「悦いか?」「此所か?」と逐一気遣う様には何故だか堪らなく救われた気がした。
お互いを唯一の人として睦み合う姿ってのは、こんなにも綺麗なんだな。
俺が十参號を抱いた時も、他人にはこんな風に見えたのだろうか?
今更考えたってどうしようもねえ事に胸を突き上げられ、自分の憫然さに嘲笑が漏れそうになる。
一瞬たりとも離れるのは嫌だとばかりに抱き締め合い、繋がる信長と『』。
「っ……
貴様は…俺の物だっ……」
そう小さく叫んだ信長が『』の中に吐き出す迄、俺はその淫靡で美しい行為から目を逸らす事が出来なかった。
とことん信長に愛し尽くされた『』は直ぐに眠っちまったみてえだ。
そんな『』を胸に抱えた信長は、愛おしくて堪らないと言わん許りの笑みを湛え、『』の頬を擽って髪を梳き額に口付ける。
十参號を拾ったのがこの男で本当に良かった……
いや、もうそれすらも十参號に取っては
《運命》だったんじゃねえのかって…………
今は思えるんだ。