第8章 光風霽月【コウフウセイゲツ】
「……くくっ」
俺は我慢出来ずに喉を鳴らす。
何だ……これ。
一体、何の褒美だよ?
俺、もう明日には死んじまうんじゃねーだろーな?
何て言うか……
本当に俺の勝手な思い込みだけどさ………
……赦された気がしたんだ。
今からは『人』として生きて良いんだ…って。
なあ、良いんだよな?
ああ……凄く真田幸村と猿飛佐助に会いてーよ。
信玄様や謙信や………
信長と光秀に付いても、とことん語り合いたい。
じゃあ俺の向かう先はもう決まってるよな。
だから、もう一度だけ………
俺は満開の桜を見上げ目を細めてから、ゆっくりと歩き始めた。
了