第4章 罪悪滔天【ザイアクトウテン】
「いっ…ああっっ!」
聞こえたのは悲鳴。
それから十参號が身体を震わせる度に伝わる振動。
激痛に耐える十参號を見下ろし………
どうして俺の一物は更に膨張してやがるのか。
本当に自分が悍ましくて堪らねえ。
一物はまだ半分程しか埋まっていない。
まだまだ先へ進んで、己の悦楽を貪る為に十参號を苦しめるんだな……俺は。
少し腰を揺らしてみても一物の先端は何かに阻まれて進めない。
此れを抉じ開けなきゃいけねえのかと、全身がじっとりと汗ばんで仕舞う俺を
「……捌…號…」
十参號が掠れた声で呼んだ。
はっと我に返ってその顔を見遣れば、十参號はにっこりと微笑んで告げる。
「平気、だから……来て。
私だって捌號の全部……欲しいの。
………お願い。」
胸が突き上げられる程に可愛くて可愛くて……それなのに俺の行為で苦しめている。
そしてその上で俺は一層昂ぶるんだ。
もう何が何だか分からない感情に支配され、ぐるぐると巡る思考の中、それでも俺は覚悟を決めた。
「分かった。
……………耐えろよ。」
上体を少し前に倒し、上から突き刺す様にして一気に腰を沈める。
「ひぅっっ………!」
先端がぷつっ…と何かを突き破った感触。
既に声を上げる事も出来ず、眉を顰め唇を噛み締める十参號の顔を見て、そこから徐々に視線を下ろして行き結合部分へ辿り着いた。
俺の望んだ通り、根元まで埋まった一物。
十参號の尻の下に在るぐっしょりと濡れた敷布には、じわじわと緋色が滲み出している。
分かってはいた。
疑った事もねえ。
それでもやはり俺が『初めて』なんだと目の当たりに見せられて、不覚にも鼻の奥がつんと痛んだ。
「ごめん……ごめんな…十参號。
………ありがとう。」
繋がったまま更に上体を倒し、震える小さな身体を力一杯抱き締めると
「ふふ……捌號ってば、変なの。」
十参號も俺の背中に腕を回して微かに笑ってくれる。
そしてそのまま、お互いに身動ぎもせず只抱き締め合い続けた。