第4章 罪悪滔天【ザイアクトウテン】
「あっ……捌…ご…
それっ……駄目……」
「何が?」
「それっ……可笑しく…なりそ…」
「『それ』じゃ分かんねー。」
いや、本当は分かってる。
中を拡張する様に二本の指で掻き回してると、腹側の奥、少しざらついた部分に触れる度に十参號は一際甘い声を漏らした。
だから俺は態と其所を念入りに擦ってやっているんだ。
絶頂へ向かう感覚を『可笑しくなる』と十参號は表現した。
自分自身で慰めている時には果てなかったのか?
確かに自分の手で行う手淫には自制が効くだろう。
他の誰かの手で、自分の意思は関係無く強引に引き摺られて仕舞う感覚を例えるのに『可笑しくなる』は、まあ妥当だな。
「じゃあ……可笑しくなっちまえよ、十参號!」
俺の指が一層激しく十参號の中を掻き回す。
「此所…なんだろ?」
そして俺の指は『其所』を執拗に、指の腹で掻き毟る様に責め立てた。
「やだっ……やだ…
捌號…も……許して…
お願い……」
目に涙を浮かべて懇願する十参號の荒い吐息は紛れも無く甘さを孕んでいる。
だから手加減なんかしてやるもんか。
「駄目だ。
………許さねーよ。」
口角を上げてそう言った俺の顔を見つめた十参號はひくっ…と一度だけ喉を鳴らすと
「んぅ…んんっっーーーー……」
大きく背を反らし、俺の指を飲み込んでいる場所から透明な液体を勢い良く噴き出した。