第2章 第二章 〜それぞれの仕事〜
【潤side】
「じゃあ行ってくるね〜」
翔「待って!!俺も一緒に駅まで!!」
和「じゃ、俺はお先〜」
「ん、行ってらっしゃい」
雅「和〜!!俺も〜!!」
和「はあ?自分の車で行きなさいy 「行ってきま〜す!!」
和「ちょ、人の話聞きなさいよ!」
わちゃわちゃしながら仕事へ出掛ける2人。
2人は仕事場が近いらしく、雅兄はよく和の車に乗っていったりする。
和はゲーム会社で、雅兄はペットショップで働いている。
智「翔、忘れ物〜!」
翔「ああ!ネクタイ!!」(何でネクタイ忘れるんですか←by.和也)
「ねぇ、まだ〜??」
翔「ちょ、待っ…智兄!!」
智「落ち着けって、テンパるとすーぐ何も出来なくなるんだから。」
玄関で待つのも寒いので、一旦リビングに戻る。
すると2人がまるで新婚夫婦の朝みたいな感じで、智兄が翔兄のネクタイを結んであげていた。
智「ほら、出来た。行っといで!」
翔「有難う、行ってきます!行こう、潤!」
「行ってくるね、智兄」
翔兄は大手会社のサラリーマン、俺はレストランの従業員として働いている。
翔「ちゃんと昼ご飯 食べてね〜」
智「分かってる〜」
智兄はイラストレーター。つい先日、大きな個展を終わらせて今は長めの休みのようだ。
翔「しっかし智兄もすげぇよな〜…」
翔兄は智兄の事が大好きみたいで、 駅まで歩く話題は大体これで始まる。(まあ俺も大好きなんだけど。←by.潤)
「あまりに人が多すぎて入れなかった人も居るんでしょ?」
翔「そうそう、俺も入れなくてさ〜、」
「あれ?智兄にチケット貰ったんじゃないの?」
翔「そりゃあ頼んだら確実だけどさ、やっぱりそれは智兄のファンの申し訳無いじゃん?」
智兄が好きすぎる翔兄だけど、こういうのはきちんとしている。
大野家の中では1番常識な心を持っているんじゃないかな。
「あ、じゃあね。」
翔「おう、また家で。」
駅に着くとお互い別々のホームに行く。
俺の所の方が電車は来るのが早いから、向かい側のホームにいる翔兄に小さく手を振って乗り込む。
そこから15分、俺が働くレストランの最寄り駅に着く。
さて、今日はどれくらいお客さんが来るかな。
新作のメニューも出るみたいだし、頑張らなくちゃ。
俺は自分に喝を入れると、レストランに向かって歩き出した。