第1章 静寂とはじまり
「くっそ!環のやつが作戦通りに動かないから!!」
トレーラーに乗った男と女
前にはルルーシュとリヴァルが乗ったバイクが走っている
「くっ!呑気に走りやがって邪魔だ!!」
クラクションを鳴らしハンドルを左にきる
「ダメ!!そっちは!!」
女の制止を聞かず男はトレーラーを立ち入り禁止エリアに方向転換をさせた
トレーラーは何かに衝突したのだろう
もくもくと砂煙が舞い上がる
「俺⋯なんかやらかした?」
「まさか。関係ないさ」
焦るリヴァルに対しルルーシュは冷静だった
ルルーシュはバイクを降りトレーラーを確認した
「ん?なんだ⋯あれは」
トレーラーの荷台に光るものを見つける
「ルルーシュー、バイク故障しちゃったみたいなんだけどさ、」
「あ、あぁ⋯」
周りには野次馬で溢れかえっていた
携帯で写真を撮るもの、友人に電話をしながら嘲笑うもの
誰一人助けに行くものなど居なかった
「ッチ⋯どいつもこいつも」
ルルーシュはそう言いすてるとヘルメットをバイクの座席におき、トレーラーの元へ走り出した
「ちょっ!ルルーシュ?!」
リヴァルの声など御構い無しにルルーシュはどんどん走り去っていってしまった