第1章 どうして
何かがあったんだろうとは思った。私のところに来るくらいだから。でも、ずっと付き合ってた人と結婚して、周りから祝福もされて、仕事もうまくいって、今の岡田になにが足りないのか、そこまでは分からなかった。
**「なにか・・・あった・・・?」
岡田「♪は・・・?彼氏出来たん?」
出来てたら岡田を招き入れる訳がない。
**「いや・・・仕事、忙しくてさ・・・」
岡田「そっか・・・。」
**「なんで・・・なんでここにきたの?」
一番聞くのが怖かった言葉を投げかけてみる。
岡田「この間、♪の夢見てん。そんな内容までは覚えてへんねんけど、そん時、名前・・・呼んだらしくて・・・」
**「え・・・奥さんと寝てる時ってこと・・・?」
岡田は黙って頷く。
岡田「それで・・・誤解されて・・・。」
**「そ、そんなの、すぐとけるじゃん!私となんて、もう何年も連絡とってないし、てか准一の今の連絡先知らないし、いくらでも弁解出来るじゃない!」
岡田「そうやねんけど・・・俺・・・多分夢ん中で・・・♪抱いてた気がする・・・」
その言葉にドキっとする。
岡田「その事があってから、なんや奥さんと・・・その・・・うまく出来んようになって・・・♪のこと、直々思い出すようになってん・・・」
**「そ、そんなの、ただ夢見て、懐かしくなっただけでしょ?すぐ忘れられるじゃない・・・今までだってずっと・・・」
岡田「♪は・・?♪は、俺の事なんかとっくに忘れてた・・・?」