第1章 Dear...
どうしよう・・・取り敢えず、着替える・・か。
でも、変にオシャレしててもおかしいよな、家だし・・。
考え抜いて、持っている中で一番可愛いルームウェアに着替えた。
5時まであと30分。メイク・・・って思ったけど、寝起きだし・・取り敢えず軽くリキッドファンデを塗って、カラコンだけ入れた。
—――♪
【着信 三宅健】
**「も、もしもし!」
三宅「んぁ、俺。今マンションの前なんだけど、上がっちゃって平気?」
**「あ、はい!」
ピンポーン
ガチャ
三宅「お待たせ」
いつも通り明るく笑うけど、疲れが滲み出てる。
**「お疲れ様です。どうぞ。」
そう言っていつもの三宅さん専用のカエルスリッパを出す。前に買い物に行った時、私はウサギで三宅さんはカエルのスリッパを選んで、うちに遊びに来た時用になっていた。
ふらふらと足元がおぼつかなくて、心配になる。
**「三宅さん、大丈夫ですか?」
三宅「♪ー・・・」
また・・・今日2回目だ、♪って呼ばれるの。
**「なんか、今日の三宅さん、変。疲れてるんですね、じゃ、ベッドに・・・きゃぁっ!」
ベッドに誘導しようとしたら三宅さんは私に覆い被さって二人ともベッドになだれ込んだ。
**「み・・・三宅・・さん・・・?」
三宅「俺に逢いたかった・・・?」
三宅さんが私の首元に顔を埋めて呟く。吐息がかかってくすぐったい。
**「ん・・・えと・・」
三宅「呼んだでしょ、俺のこと。」
**「え・・・?」