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ローオト

第5章 浮気


ベッドの上でひざを立てて座っている。いつこの船を降ろされるのか、降ろされたら自分に居場所はあるのか…。

「オトハ、入るぞ」
「は。ロー!?まっ」

有無を聞かずに勝手に入ってきた。今の自分はひどい顔をしているだろう。しかしローは関係なしに入って私の方へを歩み進んだ。

「…なんだよ」

ローが近くに来た時ふんわりとキツい香水のにおいがする。あの女の人の…と思うとズキッと心が痛んだ。

「酒場でどこまで見た?」

190もある背丈が私を見下す。かなり威圧があり、帽子から覗く目は光っていてとっても怖い。これは話さざるを得ない。

「…女に腕を…」

ローはため息をつく。ふつふつと怒りがこみあげてくる。いてもたってもいられなくて、私も立ち上がってローを必死に見上げてローの服をつかんだ。

「私のこと、セフレだって言うんだったらここまで本気にさせんなよ!」
「あ?」
「ローから言ってきたのに…こんな扱いされんのなんなんだよ」
「…おい」
「それに、私より腕がよくて美人で胸がでけぇ看護師なんかその辺にごろごろ転がってんだろ、そっちを選べばいいじゃねえか!」
「人の話を聞け」

ゴツっと音が出るようなデコピンをされて一瞬視界がちかちかと光った気がした。

「ッ…!なにすんだよ!」
「あの後はなんもしてねえよ」
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