第5章 浮気
どういうことか気になって酒場をのぞいてみた。
「お兄さんの名前、トラファルガー・ローでしょ?」
「…」
「手配書で見たのよ。素敵な顔立ちね」
酒を勧められたり話しかけられたりしているが、いっこうに飲まないししゃべらないロー。
「連れって誰?彼女?」
「あァ」
水をくれ、と酒を無視して水を頼んだ。女はつまらなさそうにするが、負けじとローに話しかけていく。
「一緒じゃなかったってことは、なぁに、捨てられたの?」
「…」
「図星かしら?」
「…」
なんか反論しろよ!クソイライラしてきてもう乗り込んでやりたいくらいだ。女はかなり大胆な服を着ているし、胸が私よりもめっちゃ大きい。あっちのが好みなんだろうな…。
「ねえ、それってやってるだけの関係ってやつじゃない?」
「…かもな」
「かわいそうな彼女。ねぇ、私だったら飽きないわよ」
とローの腕に絡ませて…。
もう見てられない。私は船まで走っていった。