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ローオト

第3章 アネモネ


大通りから外れたところに、森へ続く小さな小道があることに気が付く。

「この先、花畑があるんだって!行ってみよう!」

ローの手を引いて走りだす。無邪気な子供みたいだな、とローは笑う。




「すごい、めっちゃ花がある!」

風が吹いているおかげで、たくさんの花弁が宙を舞う。桜、ガーベラ…咲いている花々や草が、きらきらと光っているようでとてもきれいだった。

「気持ちい~い!」

たくさんはしゃいで野原の真ん中で大の字になって寝る。

「オトハ、こんなところで寝るなよ」
「ん~、大丈夫…」

ローもすぐそばで腰かけてオトハの頭をなでる。

「お前はすぐに飛んではねてどこか行くから、いろんな意味で目が離せねェ」
「私が危なっかしいってか?」
「あァ、いつか本当に誘拐されるぞ」
「そん時はちゃんとローが助けてくれるんだろ?」
「調子に乗ってんな、助けねェぞ」
「とか言って、ちゃんと助けてくれるの知ってるから」

自分の頭にのせられた手を握り返し、誘われる眠気に身を任すオトハだった。
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